① お客様の背景
30代男性。
「長く座っていると腰がつらくなり、脚にかけて違和感が出る」とのことで来院されました。
仕事はデスクワークが中心で、忙しい時期は1日中ほとんど座りっぱなし。
病院では「椎間板ヘルニアの可能性がある」と言われ、安静やセルフケアを続けていたものの、良い日と悪い日の差が大きい状態が続いていたそうです。
「年齢的にも、もう付き合っていくしかないのかな…」
そんな不安を抱えながら、ご相談くださいました。
② 初回時の状態
・腰が常に緊張していて、動き出しが硬い
・骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まりやすい姿勢
・お尻〜太もも裏にかけて張り感が強い
・腹部が硬く、呼吸が浅い
・体を支える力が弱く、腰に負担が集中しやすい状態
このような状態では腰を守ろうとして余計に力が入り、違和感が抜けにくくなる傾向があります。
③ 施術とアプローチ
僕たちが大切にしたのは、「腰をどうにかする」よりも「腰が頑張らなくて良い体に戻すこと」でした。
・骨盤と背骨のバランスを整え、腰への集中負担を軽減
・お尻・太もも裏の緊張をゆるめ、動作の引っかかりを減らす
・腹部と肋骨の動きを引き出し、呼吸を深く
・体幹が自然に働くよう、感覚入力
・日常では「座り方」「立ち上がり方」「休憩の取り方」をシンプルにお伝え
強い刺激や無理な動きは行わず、
安心して体を預けてもらえることを最優先に進めました。
④ 経過と結果
数回の施術で、「腰の張りが前ほど気にならない時間が増えた」と変化が出始めました。
その後は、
・長時間座った後の立ち上がりが楽になる
・仕事終わりの疲れ方が違う
・不安感が減り、動くことへの抵抗が少なくなる
といった変化が少しずつ積み重なり、現在は調子を大きく崩さず過ごせる状態をキープされています。
「ヘルニアだから仕方ない」
「もう元には戻らない」
そう言われて、不安を抱えたまま日常を送っている方は少なくありません。
しかし、私たちは症状よりもその人の体の使い方、生活、気持ちを大切にしたいと考えています。
怖さや不安がある状態では、体はどうしても守りに入り、余計に緊張してしまいます。
だからこそ、「無理をしない」、「一緒に体を理解していく」
このような積み重ねが、「この体でも大丈夫かもしれない」という安心につながります。
